子の引渡しを求める家事事件手続について

前回、【不適切な方法で連れ去られた子供を取り戻す方法】をご紹介しました。
今回はその方法の1つの『家事事件手続』について解説します。

※:家事事件とは、家庭に関する事件のことをいい、調停事件と審判事件の2つがあります。

『子の引渡しの調停・審判』と『子の監護者の指定の調停・審判』

家庭裁判所に、『子の引渡しの調停・審判』を申し立てます。
前回も触れましたが、子どもの連れ去りという問題を話し合いで解決することが
難しいため、調停が不成立になり審判手続に移行する、
または、初めから審判を申し立てることが多くなっています。

離婚していなければ、父、母ともに親権者であるので、
別居しているのであれば、子どもの監護者へ引き渡すことになります。
そこで、『子の引渡しの調停・審判』に合わせて
『子の監護者の指定の調停・審判』を申し立てることが通常です。

管轄する裁判所は次のいずれかとなります。

  • 相手方の住所地の家庭裁判所
  • 当事者が合意で定める家庭裁判所

審判前の保全処分

審判の申し立てから、確定までに時間がかかるため、
確定するのを待っていては、関係者が重大な損害を受ける恐れがある場合や
子どもの引渡しの実現が困難になる場合に保全処分を申し立てることができます。

例えば、連れ去った側の親が暴力を振るっている場合、
審判の決定を待っていては、子どもの生命に危険が及んでしまいます。
このような場合や、子どもを連れて逃亡する恐れがある場合など
保全の必要性』があれば、保全処分によって子の引渡しを求めることができます。

保全処分が認められるには、以下の要件を満たさなくてはなりません。

  • 保全の必要性
  • 審判が認められる確からしさ(本案容認の蓋然性)

子の引渡しの保全処分には、執行力があるため
相手方が子の引渡しを拒んだ場合、強制執行をすることもできます。
強制執行については後ほど、解説します。

相手方は保全処分に対して即時抗告(不服申し立て)をすることができますが、
保全処分は緊急性があることから認められるので、即時抗告がなされても
執行停止の効力は生じません

家庭裁判所調査官による調査

家庭裁判所は事実関係を明らかにするため、取り調べ(審理)、調査を行います。
多くの場合、家庭裁判所調査官による調査が行われます。

家庭裁判所調査官は、法律学、心理学、教育学などの専門知識を有しており、
その専門知識を活用して、関係人の性格、経歴、生活状況、資産状態など
さまざまな調査が行われます。

家庭裁判所調査官の調査結果は裁判官に報告され、その調査結果は大きく影響します。
家庭裁判所調査官への態度なども報告されますので、感情的にならずに誠実な対応をしましょう。

強制執行

子の引渡しの審判(保全処分)が決定したにも関わらず、相手方が引渡さなかった場合は
強制執行の申し立てをすることになります。

強制執行には、
執行官と共に相手方の所へ行き、強制的に子どもの引き渡しを受ける直接強制
「引き渡すまで1日あたり○○円を支払え」というように、心理的圧迫を加えて、
引き渡しを履行させる間接強制があります。

どちらの方法を取るかついては様々な見解があるので、
それぞれの事情に合わせて選択することになります。

直接強制の際に相手方が子どもを連れて逃げ回ったり、
間接強制でも相手方が金銭の支払いをいとわないとなると強制執行は実現できません。

強制執行ができなければ人身保護請求をすることができます。
人身保護請求については次回のコラムで解説します。

まとめ

不適切な方法で連れ去られた子供を取り戻す方法】にも載せていますが、
子どもの引渡しを請求する手続きの流れを図にまとめています。

子どもの引渡しを請求する手続

 

今回は家事事件手続による子どもの引渡しを求める方法をご紹介しました。

子どもが不適法な方法で連れ去られた場合、迅速な対応が必要です。
当事務所では初回相談料を無料とさせていただいていますので、
お気軽にご相談ください。

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