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基礎収入シミュレーター

2024-07-11

注意
本プログラムは、司法研究所編「養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究(2019年12月23日発行)」の「(資料3)基礎収入割合表」を元に作成しています。利用の前に必ず最新の法令をご確認ください。

給与所得・・・・源泉徴収票の「支払金額」(控除されていない金額)
自営業収入・・・確定申告書の「課税される所得金額」

基礎収入シミュレーター





祖父母と孫の絆を守るために知っておきたい面会交流(親子交流)の法改正

2024-07-10

令和6年5月17日、民法等の一部を改正する法律(令和6年法第33号)が成立しました。

この法改正では「共同親権」が最も注目されていますが、その他にも重要な改正がいくつかあります。

今回は、その中でも、令和3年に最高裁で認められなかった「祖父母からの面会交流(親子交流)申立」についても裁判所が判断できることになった「父母以外の親族(祖父母等)と子との交流」についてご紹介します。

これまでの民法

これまで、私たちが担当した案件でも「おじいちゃん・おばあちゃんも孫に会いたいと言っているのですがなんとかなりませんか?」というお声をいくつもいただいてきました。もちろん、話し合いで解決できる場合はよいのですが、裁判所に判断を仰いだ場合、裁判所が決定できる範囲はあくまでも父母と子の関係までとされており、どうにもならない状態が続いていました。

このことについての最高裁決定(令和3年3月29日・最高裁判所第一小法廷)がありますので、ご紹介します。

事案の概要《令和3年3月29日・最高裁判所第一小法廷》

子供が生まれた当初は、父母・子供・母方祖父母とで同居していました。

しかし、父が自宅を出て別居するようになり(原因等は未記載)、1週間又は2週間ごとに交代で子供を監護していました。

そのような監護形態を取っていた最中、母が亡くなり、以降は父が子供を監護することになりました。

これまでずっと面倒を見てきた孫に会えなくなったことから、母方祖父母は、父に対して、面会交流を申し立てました。

裁判所の判断《令和3年3月29日・最高裁判所第一小法廷》

【結論】
父母以外の第三者は,事実上子を監護してきた者であっても,家庭裁判所に対し,子の監護に関する処分として上記第三者と子との面会交流について定める審判を申し立てることはできないと解するのが相当である。

【理由】
…同条(※民法第766条)2項は,同条1項の協議の主体である父母の申立てにより,家庭裁判所が子の監護に関する事項を定めることを予定しているものと解される。…民法その他の法令において,事実上子を監護してきた第三者が,家庭裁判所に上記事項を定めるよう申し立てることができる旨を定めた規定はなく…子の監護に関する処分の申立てを却下する審判に対して即時抗告をすることができるのは「子の父母及び子の監護者」(家事事件手続法156条4号)である…

【民法第766条第1項】
父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。
【民法第766条第2項】
前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、同項の事項を定める。
【家事手続法第156条】
次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。
【家事手続法第156条第4号】
子の監護に関する処分の審判及びその申立てを却下する審判 子の父母及び子の監護者

【補足解説】
祖父母側から見ると少し酷な判断かもしれませんが、祖父母等の第三者からの面会交流審判の申立を安易に認めてしまうと、(今回の事案では、母が亡くなっていますが、)ただでさえ父母の面会交流で揉めている中に、祖父母からの面会交流の申立が行われて紛争が複雑化してしまい、民法第766条で「最も優先して考慮しなければならない」とされている「子の利益」に悪影響を及ぼす恐れが出てくるなどの懸念から、現行法では認められない(※『判例タイムズ1500号 84頁』でも「本来的に,立法によって解決されるべき問題であると考えられる。」と述べられています。)との判断に至ったようです。

なお、今回の最高裁決定で「できない」とされたのは、子の監護に関する処分として父母以外の第三者子との面会交流について定める「審判」となっているので、調停や話し合いによって面会交流を求めることは可能とされています(金子修編『逐条解説家事事件手続法』737頁等)。

改正法

今回の法改正で、新たに民法第766条の2が設けられました。施行日は公布から2年以内となっているので、遅くとも令和8年5月24日までには施行されます。

【民法第766条の2】
家庭裁判所は、前条第二項又は第三項の場合において、子の利益のため特に必要があると認めるときは、同条第一項に規定する子の監護について必要な事項として父母以外の親族と子との交流を実施する旨を定めることができる。
2 前項の定めについての前条第二項又は第三項の規定による審判の請求は、次に掲げる者(第二号に掲げる者にあっては、その者と子との交流についての定めをするため他に適当な方法がないときに限る。)がすることができる。
一 父母
二 父母以外の子の親族(子の直系尊属及び兄弟姉妹以外の者にあっては、過去に当該子を監護していた者に限る。)

祖父母は、子の直系尊属にあたるため、過去に子を監護していなくても、面会交流審判の申立(請求)ができることになります。
ただし、あくまでも審判の申立ができるだけで、「子の利益のため特に必要があると認めるとき」という条件があるため、何を基準に「特に必要がある」とするかは裁判所の判断に委ねられます。

まとめ

民法改正により、祖父母が孫と面会交流(親子交流)をするための法的な手続きが整備されました。しかし、申立が認められるためには「子の利益のため特に必要がある」と判断される必要があります。過去に最高裁で祖父母の申立てが退けられた経緯があり、改正の意義は大きいものの、実際の運用では慎重な判断が求められそうです。
祖父母として孫に会いたいなど、面会交流(親子交流)でお困りの方は、初回相談料は無料になっておりますのでお気軽に当事務所までご相談ください

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